日本人の価値観
最近、企業や官庁などで犯罪に近い不祥事が相次いでいる。
その理由の一端は、日本社会が持っている価値観の教育にあるのではないかと思う。
外国では、就職のとき日本のような新卒一括採用という制度はなく、各人が好きな時に会社を受けに行き、年齢制限も決まった給料もなく、企業はその人のスキルを見て、それぞれに条件を交渉して採用すると聞いた。
もちろん、その仕事に対するスキルが有ることが条件で採用されるので、新入社員研修など一切なく、即戦力として、採用されたその日から賃金に見合った仕事を要求される。
それに対して日本では、スキルはあまり重要視されることがなく、新卒をほとんど同じ給料、条件で一括採用し、研修などを通して会社がスキルを身に付けさせてくれる。
どちらの採用方法が良いのかは意見が分かれるが、問題は、会社の教育を通して価値観までのが植え付けられてしまうことだと思う。
私は、フリーとして様々な会社を見てきた。そこで感じたのは、企業の中で共有されている価値観(常識や善悪の判断などを含めて)が驚くほど違うということだ。
最近は中途採用が増え、スキルを武器に様々な会社を渡り歩く人も現れてきたが、今も大多数の人は、新卒で採用された会社で一生働いている。
なので、ほとんどの人が、自分たちの常識は世間の常識と思い込み、価値観が違うことに気づいていない。そんな価値観のある部分が、日本社会の価値観とずれている場合、時として不祥事を引き起こし、犯罪になってしまうのだろう。
最近、企業で「コンプライアンス」ということが言われている。コンプライアンスとは、簡単に言えば「法令遵守」と言うこと。企業規則はよいとして、法律を守らなければいけないのは、小学生にも分かること。それをわざわざ叫ばなければならないということ自体、その団体の価値観が、世間の考えと大きく違っていることの証だ。
価値観は企業によって植え付けられるものではない。各個人が、しっかりとしたアイデンティティを持ち、自分の判断で身に付けていくもの。そうならなければ、日本の社会は良くならないと思う。
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