女人禁制

大相撲の巡業で、土俵上で倒れた市長を救命しようと土俵に上がった女性看護師に「土俵から降りてください」とアナウンスがあり問題になっている。

一体「女人禁制」とは何なのか?気になって調べてみた。


もともと女人禁制は、仏教とともに日本に入ってきた考え方らしい。

仏教では、性欲を含む人間の欲望を煩悩とみなし、自分で制御することが理想とされている。そのため、修行中の僧がムラムラするのを防ぐために、修行の場に女性が入ることを禁じた。

それが、神道の「穢」と一体となって日本独自の女人禁制が生まれた。

「穢」自体は、世界中の民族に似た風習があり、感染症予防のために、血を流した者(女性に限らず、怪我をした男性も)を隔離するためのものだが・・・


相撲について言えば、発祥は神話時代に遡るらしいが、戦国時代には戦のためのトレーニング(修行)として行われるようになり、力士がムラムラするのを防ぐため、長い間、女性が土俵に上ることはおろか、観戦することも出来なかったという。


平和な江戸時代になると、トレーニングの要素は消え、女相撲(まあ、今のストリップみたいなものかな)も行われるようにようなって、女性は土俵に上ることは出来ても、観戦は許されなかった。許されたとしても、女性の裸にムラムラしている男の群れに入りたいと言う女性は、いないと思うが。


こうして一時は低俗な娯楽に落ちた相撲だが、明治になって、相撲好きだった明治天皇と伊藤博文等の尽力で天覧相撲が開かれ、相撲協会が設立された。

その時、なんとか相撲の地位を高めたい相撲協会は「相撲は古事記や日本書紀にも登場する(力士は女性で、冷静な男をムラムラさせるために行ったのだが)伝統を持つ国技である」と宣伝した。


今の相撲界を見ると、女性がいたらムラムラして襲ってしまう力士がいても不思議のない状況。伝統にこだわるのであれば、いっその事、観客も女人禁制にして精進すればよいのではないだろうか。

これでいいのかな?

テレビ業界で働くフリーのディレクターです。だから何?ときかれても困りますが、気の向いたときに、世迷い言を書いています。

0コメント

  • 1000 / 1000